ユナイテッド計画株式会社は、国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、積極的な取り組みを通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※以下の文章は、秋田魁新報(2021年4月17日付)に掲載されたものを再構成しています
―環境負荷を低減する取り組みを教えてください。
秋田事業所では、第1焼却炉のサーマルリサイクル(熱エネルギーの回収、再利用)を行っています。産業廃棄物を燃やして発生する熱を発電に活用することで、エネルギーコストを抑制し、二酸化炭素の排出削減につなげています。また再エネの分野では、秋田市でバイオマス発電所を運営するほか、宮城県仙台市と石巻市で大規模バイオマス発電所の建設を進めています。SDGsには環境に関する行動目標が設けられており、当社の事業活動と合致します
―二酸化炭素の排出抑制効果はどれだけ得られますか。
第1焼却炉のサーマルリサイクルにより、二酸化炭素の排出を年間約4500トン余り削減できます。建設中の第2焼却炉でもサーマルリサイクルを行う計画で、来年春に運転開始となる見込み。これにより廃棄物の処理量が増えますし、一方の焼却炉の定期修繕中も廃棄物を受け入れることができます。円滑な事業運営につながると期待しています
―環境への対応を重視するのは、なぜですか。
国内ではかつて、産業廃棄物の汚水処理などが社会問題となりました。産廃処理にいい印象を持たない県民は多いと思います。こうした経緯から、私も含めて同世代の産業廃棄物処理業に関わる経営者は『業界全体でしっかり対応すべきだ』という意識を強く持っています。当社も最終処分場から汚水が流れ出ないように処理施設を整備したり、リサイクルを進めたりして、環境基準を満たす設備を整え、運用してきました。潟上市に最終処分場を設けた際の住民説明会には、農業や環境に詳しい方々が参加してくださいました。『この課題をクリアしてほしい』と建設的な意見を述べていただき、当社もこれに応えて努力しました。地域の方に恵まれ、支えてくださったことに大変感謝しています
―再エネ発電に乗り出した狙いは。
2012年に再エネの固定価格買い取り制度(FIT)が整備されたことをきっかけに、発電事業に参入しました。新たな制度の整備や規制緩和はビジネスチャンスです。当社は廃棄物処理のプラントを運営するノウハウや発電に関する技術を持っていたので、挑戦するべきだと考えました。政府はこれまで、国内の電源構成に占める再エネの比率を、30年までに22~24%に高める方針でした。現政権はこの動きをさらに進め、二酸化炭素の排出量を50年までに実質ゼロにすると表明しました。再エネの普及は一層加速するでしょう。化石燃料などの資源が乏しい日本に合っている政策だと思いますし、電源の分散化も進みます。日本の二酸化炭素の排出量を産業別にみると、発電事業関連は全体の4割に及ぶそうです。当社はこの抑制に積極的に貢献していきます
―再エネ発電について、どのような展望を持っていますか。
今後は発電コストを下げるために、発電所の大規模化と高効率化が進んでいくでしょう。当社はこれに備え、建設中の大規模バイオマス発電所の運営を通して、技術とノウハウを蓄積していくつもりです
―ユナイテッド計画は環境関連分野に参入することで事業を拡大してきました。積極的に新規や大規模の事業に参入する理由を教えてください。
秋田県の経済成長に寄与したいという思いがあります。秋田の18年度の県内総生産(名目)は約3兆5千億円。これに対し、隣の山形県は4兆2千億円超です。例えば県内に売上高10億円の企業が100社あるとして、この100社の売上高がそれぞれ10倍の100億円になれば、本県は山形の県内総生産に追いつける可能性が高まります。当社はこのうちの1社になりたい。県内に本社を置きながら事業を広域化して、県内に利潤をもたらしたいのです。地方企業が自立して経済活動を展開できれば、若い世代が就ける職種も増えていきます。大規模事業では、ファイナンスに詳しい財務担当者や、法務のプロといった人材が必要になります。一つの企業が多様な専門性を持つ人材を雇用することが必要になってきます。これにより県外の大学に進学した人たちが、県内企業を選びやすくなると期待しています。そのためには経営者の努力が欠かせませんし、自治体の支援も必要です
―ユナイテッド計画は株式上場を目指すと18年に表明しました。その狙いは。
上場が実現すれば、金融機関の融資やファンドの出資に加え、市場からの資金調達が可能になります。多様な事業にスピード感をもって挑戦することができます。また上場に向けて環境、社会、企業統治への対応が求められます。中長期的に緻密な事業計画を立てて、計画を遅延させずに進めていくためのクリエイティブな組織づくりにつなげたいと考えています
―県内に本社を置く上場企業は2社にとどまります。現状をどうみていますか。
上場がベストな選択かどうかは企業により異なるでしょうが、当社が新規上場を実現することで、県内の若い起業家に刺激を与えたいと考えています。若い起業家の皆さんに『秋田でも上場できるんだ』という意識を持ってもらえたら、うれしいです